らっきょうの時期〜栽培から保存食作りまで

植え付けは手作業で〜栽培時期

らっきょうは旬にしか出回らないため、季節感たっぷりの野菜です。もとは中国産の野菜で辣韮(辛いにら)と書き、独特の風味があります。塩漬けや甘酢漬けで保存食にしたり、肉と炒めて、おかずにもなります。らっきょうには種がなく、その年5月末から6月末に収穫した球根を種球として8月下旬~9月中旬頃、畑にひとつひとつ手作業で植えていきます。

らっきょうは痩せた土地でも十分に育ちます。天候や苗の状態を見ながら水を与え、草取り(雑草に弱いため頻繁に行ないます)ときに追肥を行います。10月頃になると畑一面、紫の花が満開となりとても綺麗な景色となります。根が伸びるとらっきょうが土から顔を出すので、根元に土を寄せ緑に育つのを防ぎ、白いらっきょうに仕上げます。

収穫・出荷〜一番美味しい時期

収穫時期は地上の葉が茶色く枯れてきたころを見計らい、早い物で4月から収穫、6月以降には品質が安定し最盛期を迎え7月頃まで続きます。収穫は傷をつけないようにスコップやトラクターで掘り起こします。ひとつの種球で8〜12個ほど採れます。

収穫後は土付き(根付き)らっきょうと洗いらっきょうの2種類の出荷方法に分けられます。どちらも葉と根を切り落としますが、洗いらっきょうの場合は土を洗い落とし、薄皮を剥いて艶やかになった状態で袋に入れて出荷します。土付きは箱に入れて出荷しますが、農家さんによって葉をつけたまま出荷する場合もあります。特に初夏の物は完熟し、形はふっくらと身は締りがよく大変美味しくなっています。

保存食作りの時期

1月に鹿児島県、沖縄県から出荷が始まり、4月に徳島県、宮崎県、高知県が続き、5月には鳥取県、茨城県、福井県、千葉県、静岡県、群馬県と増えていきます。沖縄産は通年に渡り出荷していますが、他県産は6月から7月にかけてが最も多いのでらっきょうの旬はやはり初夏といえるでしょう。

洗い済みらっきょうはすぐに調理が出来ます。しかし土付きらっきょうは下処理が必要です。新鮮な土付きらきょうは切り口から緑色の芽が一日で数ミリ伸びてきます。長期間そのまま置いておくと辛みを増し強い香りも放ちます。また傷んでいる部分から腐敗やカビが発生しますので手に入ったらできるだけ早く、新鮮なうちに加工します。すぐに加工出来ない場合は新聞紙に包み、日の当たらない風遠しの良い場所で保管します。

塩漬けや甘酢漬けは漬けてから10日頃から召し上がれますが、約1ヶ月待つと漬かりがよく美味しくなります。らっきょうは免疫力も高めてくれるため夏風邪対策に効果的です。旬のらっきょうを食べることは大変理にかなっているのですね。 夏場に1日数粒、召し上がってみませんか。時期を逃さず、ぜひお試しください。

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