生食用らっきょう
初夏に出回るらっきょうを丁寧に薄皮を剥いて好みの味で保存ビンに漬ける・・らっきょうの楽しみ方は、漬けるだけではありません。春先に若いらっきょうを収穫した「生食用らっきょう」は、らっきょうそのものを味わうのです。らっきょうの産地では、春になるとスーパーにも生食用のらっきょうが並び、酢味噌和えなどにして昔から食べられてきました。近年少しずつ「生食用らっきょう」の出荷エリアが広がっていますが、産地直送が盛んになった今、全国各地から旬の味を取り寄せる楽しみも広がっています。鹿児島県の「生食用らっきょう」を味わってみませんか?
加熱して楽しむ「甘味と旨味」
生食用らっきょうはその名の通り、生で味わうことができ、せっかくだから生で食べよう!と思われるかもしれません。けれど、加熱することで味わえる、らっきょうの甘味と旨味も最高です。おすすめは「簡単ホイル焼き」。生食用らっきょうはさっと洗い、3〜4センチに切ります。緑色の葉っぱと白い薄皮の重なる部分は砂が入り込みやすいので、薄皮を剥いてさっと水洗いします。アルミホイルに包んだら、オーブントースターで5〜10分加熱します。生っぽい食感や香りを楽しみたい方は短めに加熱し、甘味と旨味をしっかり味わいたい方は長めに加熱します。できたてに醤油やポン酢を回しかけ鰹節を散らせば、熱々をハフハフしながら味わう最高のおつまみが完成です。
定番おかずも「生食用らっきょう」でおいしさアップ!
生食用らっきょうには、ネギやにら、にんにく、たまねぎなどと同じ香りと辛味の成分硫化アリル(アリシン)が含まれます。いずれも食欲をそそるおかずに欠かせない野菜です。つまり、いつものおかずも生食用らっきょうに変えたり、プラスして作ってみると、無理なくおいしいアレンジができます。まずは、たまねぎの代わりに生食用らっきょうを使って「豚肉の生姜焼き」を作ってみてください。らっきょうならではのシャキシャキとした歯応えも楽しめ、いつもとちょっと違う奥行きのあるおいしさが感じられるはずです。
加熱調理のポイント
生食用らっきょうには、血液をサラサラにしてくれる硫化アリル(アリシン)が含まれるのですが、アリシンは熱に弱いため、加熱調理の時間は短めにするのがポイントです。また、油分と一緒に摂ることでアリシンの性質が安定します。アリシンがビタミンB1の吸収を助けることから、豚肉などと一緒に食べると疲労回復にも効果的です。豚肉とらっきょうの組み合わせは、味はもちろん、栄養面でもおすすめです。